
『光る君へ』が大好きではまっている。毎晩オープニングテーマ曲を聴いて眠るぐらいに。
第45回、
源倫子が悲しかった。
道長は倫子を出世、我が栄華の道具として利用しただけなのだろうか…
権力者は鈍感か
傍にいて最高のサポートがあったからこその地位と名誉だと感謝しないと。
まひろが去るから
出家するとはどういうことか。
これから夫婦がよりそって穏やかに生きていく時間が漸くできたというのに。
倫子、これほど辛い女の立場はないだろう。いくら理解ある賢い女でも。当時は身分制度が厳しい時代。倫子の出自は言うまでもなく高級貴族で、安易に思いを吐露できる相手もいない立場。人が望むものは全て手に入れているのであれば、他者からは最期まで羨望の的でもありたい、というより理想の女性像でいなければならない立場だろう。そして、周囲の嫉妬は常につきもの。自由もなし、か。
考えてみれば、メンタル強い女
道長と結婚できずとも
まひろ(紫式部)の方が幸せなのかもしれない。愛され続け、自分が去るとなれば、相手は出家するとまで惚れられていたのだから
(このドラマのなかの設定では…ね)
幸せの形は人それぞれか。
道長、まひろ以外の人間のこころに、鈍すぎる。子供過ぎるな…
んー。
と考えたけれど、
倫子は道長への届かない想いについては、一瞬で諦念となるだろう。賢い人が選択しそうな、直ぐに悟って執着から離れる思考回路。既に手に入れた、その他の幸せには十二分に満足の結果を得たということで。というより、心底、道長を愛しているのだろうね。好きな人と結婚できたのだし。
また、倫子は、「道長物語」を書いてほしいと紫式部に先に声をかけるも、
やはり断られたのに、
「衛門がいいのよ」
と、一番先にお願いしたかのように言えるあたりは、流石、育ちのよさが表れている。巧みな交際術だわ。
大石静さんの作品はどろどろした内容が多くてこれまでは好みのドラマではなかったけれど、
「光る君へ」はそのどろどろした人の闇が洗練された表現で、それぞれの人物が己の立場を「弁えて」いて、感情は抑えられているあたり、整って映って、こちらも落ち着いて見ることができる。
なるほど、
法話も、そのあたりの人の闇をポイントにしたいといえども、控えめに、というか、工夫して(これが難しい)、表現をしておくべきだろう
「光る君へ」は
それぞれの心情に
素直には入りこめた
今夜はいつものテーマ曲にせず、「光る君へ」の劇中曲「遠い空」でも聴いて休もう
どの人の人生も完璧ではない。
すべての人生はそうであるから
その傷が光を放つのかな。魅力になるというのか。
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