投影していたという話
- YUUKO MORIUCHI
- 5月3日
- 読了時間: 2分
更新日:5月5日

先日、久しぶりに会った同い年の友人と、グラングリーン大阪付近のカフェで語らった。柔らかな夕日がビルの後ろへと沈むころ、街をオレンジ色に染め上げる。その光景はまるで、胸の奥にしまい込んだ思いを優しく呼び覚ますかのようだった。なんて。
話題は、ある人物のことへと流れていった。その人がなぜか強烈に印象に残り、頭から離れないという。そんな経験は誰しも一度はあるだろう。ユングの心理学では、それは「投影」なのだという。自分の中に隠された、封印している感情や欲求が、その人の姿を通して浮かび上がる。それゆえに、意識せずとも強く惹かれ、心を占めるのだそうだ。
では、その人を忘れるためにはどうすればいいのか。ユングの示す答えは、「自分自身の中にもあるその惹かれた部分を開示していくこと」だったかな。間違えた解釈だったらごめんなさい。
心の奥深くにある感情に気づき、認め、向き合うことで、手放していく。それはまるで、夕陽がゆっくりと沈むのを見届けるような作業かもしれない。決して無理に追いやるのではなく、静かに受け入れること。
社会生活の中で、誰もが何かしらの感情を抑えて生きている。(時代は変わりつつある。かつては抑圧されがちだった感情や価値観も、今では少しずつ解放される流れになっているとは感じているが。)だからこそ、自分の心の声を聞き、先ずは自分自身に誠実であることが、これからの生き方には必要なのだろう。
人は他人のどんな性格的な部分に惹かれるのか。
それは、顕在意識では否定しつつも自分が本当は開花させたい部分なのか、あるいは補いたい部分なのか。その問いを考えながら、友人とピノノワールを一杯頂き語らった。
カリフォルニアで浴びたような太陽を感じつつ
夕暮れの街の喧騒が遠のいていく中、心の奥深くで響く言葉に、じんわりと温かくなっていった。なんてね
お念仏「南無阿弥陀仏」の一つのこころには、「慚愧」という自己開示がある。前にも話したけれども、それは涅槃経に、
(次回へ続く)
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